かおみせ 【顔見世】
翌年その劇場に勤める役者をきめ、その顔ぶれで十一月(一日を初日とす)に興行する芝居。歌舞伎役者は一年契約で十月に一座の入れ替えを行い、十一月興行で新加入の役者の顔披露をしたのでいう。顔見世芝居に上演する狂言を顔見世狂言という。
「江戸語の辞典」 前田勇編
顔見世芝居に先行して、座元宅に座頭、立者の役者が2~7人が集り行われて行事が世界定です。
せかいと云は、名題の事にてはなし。たとへば、当顔見せは太平記のせかいか、又は伊豆日記のせかいか抔と、大名題も出来ぬ前の大だゝ(マゝ)い也。狂言にもきつとをもひつきし趣向ありて、是非当かほ見せは太平記のせかいと直に相談極る時もあり、又は是かかれかとまよふ時は、䦰にしてせかいを極る事もあり。いづれにも極めし世界を書付、神棚へ上て神酒をそなへ、右の人数へ座元より料理を出し、盃事して祝ふ事吉例也。勝手などにても手を打、祝儀を述べるなり。
「芝居年中行事」松下堂波静著 安永六(1777)年 正月出版 「歌舞伎の文献・6」 国立劇場・芸能調査室 編 所収
「太平記」は軍記物語が存在しますが、源頼朝が伊豆に流されたことに因むと思われますが、「伊豆日記」という軍記物語は管見の限り存在しません。「頼朝伊豆日記」という近松門左衛門の人形浄瑠璃か、地誌はあります。
顔見世向けの他にも、十一月十二日には春狂言の世界定が行われていたそうです。
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